過去重セイカの妄想話。長いので折りたたみ。 続きを読む 「さすがミアレの英雄!」 「あなたのおかげでミアレ──ううん、カロスは救われたわ!」 人々からの賞賛の声にセイカは笑顔で応える。しかし自分のことを英雄や救世主などと思っていないセイカは段々と疲れてしまう。 「なんや甘えたさんやなあ。……なにかあったか?」 カラスバの家にほぼ住んでいる状態のセイカ。同じベッドで眠るカラスバに抱きつき、甘えることで心の疲れを癒やす。 頭を撫でてくれる手が優しくて泣きそうになる。 (昔は……人々に崇められ、称えられるのなんて当たり前で……なんとも思ってなかったのに。今では……) 心が疲弊していき。ふと、思う。“消えればいい”のだと。 「カラスバさん。今日は早めに帰ってきてください」 「なんや急に。どないしたん?」 「話したいことがあります」 「仕事休んで今から話したいところやけど……堪忍な。外せへん仕事が入っててん。それが終わったら帰ってくるから、セイカも家で待っててくれる?」 「はい」 数日後。セイカは朝、出勤前のカラスバに声をかける。 カラスバも外せない用事を済ませると帰宅。セイカも家で待っている。 テーブルを挟んで向き合うように座ると、セイカが口を開く。 「カラスバさん。私──消えようと思います」 「…………は?」 カラスバはセイカの言っていることが理解できず、気の抜けた声しか出なかった。 「人々はミアレの救世主と私を称賛する。でも私は……そんな肩書きが似合う人間ではありません。……少し、疲れてしまったんです。綺麗なセイカでいるのが」 セイカは力なく笑う。 「自分を変えたくてミアレに来たのに。結局は疲れてしまって……。周囲の称える声には慣れているはずなのに」 「だから消えようと? ……なあ、オマエもオレを置いていなくなるんか? …………そんなん、許すわけないやろ」 カラスバの片手がセイカの片手を痛いほどに握る。心を許した人に置いていかれるような悲痛を秘めた顔に、セイカは安心させるように彼の手を包み込み頬に当てる。 「私だってあなたがいない生活なんて耐えられないです。だから、一週間だけ。その間、私は別人になります。けどミアレからは出ないし、案外……カラスバさんの側にいたりして?」 「……変装するゆうことか」 セイカ、頷く。 「別人になれば誰も私をセイカだとは思わない。それに私って当初は観光のために来たんですよ。だからミアレを純粋に楽しみたいし、ロワイヤルも……最近だと早々に降参する方がいて。セイカじゃなくなれば、そんなこともなくなるでしょうし」 「オマエの言い分も理解できるけどな……。……はあ。分かった。一週間だけやで。それに変装言うてもここには帰ってくるやろ?」 「なに言ってるんですか。帰りませんよ。セイカじゃない、知らない誰かになるんですから。スマホも置いていきます」 「はぁ!? 帰らんはともかく、スマホを置いていくやと!? オマエがどこでなにしとるか分からへんやん!!」 「だから、ですよ。もう新しいスマホも用意しましたし」 セイカ、ロトムの抜けたスマホをテーブルの上に置く。 「無茶なことはしません。危ないところにも近づきません。だから、私を信じて待っていてくれませんか?」 「っ、せやけど……」 カラスバは考え込み、最終的にはセイカの願いを聞き入れることに。 「……絶対に一週間だけや。危ないことはせんこと。なにか困ったことが起きたらすぐにオレに連絡しぃ。これを守れるなら許したる」 「ふふっ、お母さんみたい」 「オマエのためやったらママゴトでも何でもやったるわ。でもな、心配しとるのはほんまや」 そんなこんなでセイカちゃんがキョウヤに変装し、ひとりの観光客として楽しむ話。なお、この姿でカラスバさんとも関わりができるという。 畳む #ネタ 2026.4.18(土) 11:08
「さすがミアレの英雄!」
「あなたのおかげでミアレ──ううん、カロスは救われたわ!」
人々からの賞賛の声にセイカは笑顔で応える。しかし自分のことを英雄や救世主などと思っていないセイカは段々と疲れてしまう。
「なんや甘えたさんやなあ。……なにかあったか?」
カラスバの家にほぼ住んでいる状態のセイカ。同じベッドで眠るカラスバに抱きつき、甘えることで心の疲れを癒やす。
頭を撫でてくれる手が優しくて泣きそうになる。
(昔は……人々に崇められ、称えられるのなんて当たり前で……なんとも思ってなかったのに。今では……)
心が疲弊していき。ふと、思う。“消えればいい”のだと。
「カラスバさん。今日は早めに帰ってきてください」
「なんや急に。どないしたん?」
「話したいことがあります」
「仕事休んで今から話したいところやけど……堪忍な。外せへん仕事が入っててん。それが終わったら帰ってくるから、セイカも家で待っててくれる?」
「はい」
数日後。セイカは朝、出勤前のカラスバに声をかける。
カラスバも外せない用事を済ませると帰宅。セイカも家で待っている。
テーブルを挟んで向き合うように座ると、セイカが口を開く。
「カラスバさん。私──消えようと思います」
「…………は?」
カラスバはセイカの言っていることが理解できず、気の抜けた声しか出なかった。
「人々はミアレの救世主と私を称賛する。でも私は……そんな肩書きが似合う人間ではありません。……少し、疲れてしまったんです。綺麗なセイカでいるのが」
セイカは力なく笑う。
「自分を変えたくてミアレに来たのに。結局は疲れてしまって……。周囲の称える声には慣れているはずなのに」
「だから消えようと? ……なあ、オマエもオレを置いていなくなるんか? …………そんなん、許すわけないやろ」
カラスバの片手がセイカの片手を痛いほどに握る。心を許した人に置いていかれるような悲痛を秘めた顔に、セイカは安心させるように彼の手を包み込み頬に当てる。
「私だってあなたがいない生活なんて耐えられないです。だから、一週間だけ。その間、私は別人になります。けどミアレからは出ないし、案外……カラスバさんの側にいたりして?」
「……変装するゆうことか」
セイカ、頷く。
「別人になれば誰も私をセイカだとは思わない。それに私って当初は観光のために来たんですよ。だからミアレを純粋に楽しみたいし、ロワイヤルも……最近だと早々に降参する方がいて。セイカじゃなくなれば、そんなこともなくなるでしょうし」
「オマエの言い分も理解できるけどな……。……はあ。分かった。一週間だけやで。それに変装言うてもここには帰ってくるやろ?」
「なに言ってるんですか。帰りませんよ。セイカじゃない、知らない誰かになるんですから。スマホも置いていきます」
「はぁ!? 帰らんはともかく、スマホを置いていくやと!? オマエがどこでなにしとるか分からへんやん!!」
「だから、ですよ。もう新しいスマホも用意しましたし」
セイカ、ロトムの抜けたスマホをテーブルの上に置く。
「無茶なことはしません。危ないところにも近づきません。だから、私を信じて待っていてくれませんか?」
「っ、せやけど……」
カラスバは考え込み、最終的にはセイカの願いを聞き入れることに。
「……絶対に一週間だけや。危ないことはせんこと。なにか困ったことが起きたらすぐにオレに連絡しぃ。これを守れるなら許したる」
「ふふっ、お母さんみたい」
「オマエのためやったらママゴトでも何でもやったるわ。でもな、心配しとるのはほんまや」
そんなこんなでセイカちゃんがキョウヤに変装し、ひとりの観光客として楽しむ話。なお、この姿でカラスバさんとも関わりができるという。
畳む
#ネタ